INTERVIEW

FOMARE主催フェス「FOMARE大陸」の開催を記念して、出演する04 Limited SazabysのGEN[Bass / Vocal]とFOMARE(アマダシンスケ[Bass / Vocal]、カマタリョウガ[Guitar / Chorus]、オグラユウタ[Drums / Chorus])のスペシャル座談会が実現。話は両者の出会いからスタート――。

アマダ 4年ぐらい前でしたっけ。俺がGENさんとたまに飲みにいったりとか、カマタがRYU-TAさんと飲みにいったりとか、メンバーそれぞれにプライベートで繋がったのが最初でしたよね。それでやっと今年の3月、フォーリミのツアー(「Human Communication Tour 2022」)に呼んでもらって、そこでFOMAREとして、改めてフォーリミと繋がったんです。

――飲みにいくようになったきっかけっていうのは?

アマダ 何でしたっけ?

GEN 全然憶えてないや(笑)。元々、FOMAREの初期のドラマーだったサイモンが群馬のGunma Sunburstってライブハウスでブッキングをやっていて、お世話になっていたんですけど、たまにFOMAREのデモをくれたんですよね。でも、その時はシンポン(アマダ)とは出会ってないから、シンポンと出会ったのはいつなのかな?

アマダ 俺らがsmall indies tableに入った後だと思うんですよ。

GEN そうかもね。あぁ、あのFOMAREってバンドかって思ったのは憶えてる。

アマダ フォーリミのことは、もちろん知ってましたけどね。

カマタ 1枚目の頃から一キッズとして知ってました。

GEN ほんとに?

カマタ それこそSunburstの事務所で、「フォーリミってバンドが今、来てるらしいよ」って教えてもらったんですよ。そのフォーリミがまさか自分らのフェスに出てくれるなんてって感動はあります。

GEN フェスとか、サーキット・イベントとかでシンポンがガツガツ来てくれた気はする。

アマダ そうですね。

GEN あれ、FOMAREっていま何歳になった?

アマダ 26になりました。

GEN そうだったか。若手って言っていいのかわからないけど、俺らより下の世代の若手って、けっこうおとなしいってイメージで、逆にガツガツ来るシンポンは珍しかった。そこは良いなと思ってる部分ではあったけど。

アマダ うれしいです。

GEN 「飲みましょうよ」「飲みいきたいです」。すごい来るじゃんみたいな。うっとうしいなと思ってましたけど(笑)。

――飲みにいった時は、どんな話をするんですか?

アマダ 音楽鑑賞することが多いですよね。帰り際にオススメの曲を、GENさんが聴かせてくれるんですけど、それがずっと続いて、オススメの曲をみんなでかけあうんですよ。だから、世間話というよりはずっと音楽の話をしていますね。

GEN そうだね。その曲の何が良いのか、2人で話すわけですよ。この歌詞の、こういう持っていき方が良いよねみたいなことを。

カマタ うわー、俺はまだそこまで行けてないなー。RYU-TAさんともふわっとした感じで(笑)。 

GEN いまだにってこと?

カマタ いまだにふわっとしてますね。

GEN 仲良いイメージあるけど。

カマタ でも、3月にZepp Fukuokaで対バンしたとき、かなり距離が縮まった気はします。

アマダ 一緒にゲイバーに行きましたもんね(笑)。

GEN あぁ、行ったね。

カマタ そこでかなりグループ感は出ましたね。

オグラ 楽しかったです。良い思い出になりました。

アマダ バンド同士で、しかも先輩とゲイバーに行くことってそんなにないですからね(笑)。

――GENさんはFOMAREというバンドには、どんな印象を持っていたんですか?

GEN デモを聴かせてもらった時は、まだまだこれからだなという印象でしたけど、デビューして、EPが出た時にマイヘアみたいなバンドが出てきたなって。

アマダ ハハハハ。

GEN 髪型も含めね(笑)。今、若手でマイヘア(My Hair is Bad)みたいなバンドっていっぱいいると思うけど、そう感じた最初のバンドだったかもしれない。だから、マイヘアに似ていると言うよりは、俺らの世代に影響された下の世代が出てきたと思った。そこから仲良くなって、バンドのルーツを知っていったら、めっちゃパンクも好きだし、あ、意外に俺らに近いんだってところで、俺らに憧れたり、俺らを聴いていた世代がもうそうやってデビューするんだって思ったのは憶えてる。だからこそ、簡単に認めたくないという気持ちがあったんだと思う。

――その後、印象は変わりました?

GEN 変わりました。柿ピー(オグラのニックネーム)が入ったってことで。

カマタ めっちゃ柿ピー推しですもんね。

GEN そう。柿ピー推しなんで、俺は。足りないピースは揃ったなって思った。

――どんなところを推しているんですか?

GEN 純粋にいい奴に見える。

アマダ 俺もそう思ってます。

GEN うちで言うと、RYU-TAみたいな。

カマタ あぁー。

GEN 純粋に人に好かれるタイプなのかな。裏表がなくて。それってすごい才能だと俺は思うし、もちろんプレイもすごく良かったから、すげえパワーアップしたなって思った。

オグラ めっちゃうれしいです。

GEN 曲を作るボーカルがいて、男前がいて、愛されキャラがいてっていう。3ピースだし、みんなのキャラが立ってるって大事だと思ってて。柿ピーが入ってすぐライブを見にいったんだよね。シンポンが誘ってくれて。

アマダ 新木場Studio Coastに来てくれましたよね。

GEN うん、Coastも行ったね。

オグラ SHADOWSと新宿LOFTでやった時じゃないですか。

GEN あぁ。でも、その時は、ライブは見られなかったんじゃないかな。

アマダ 打ち上げに来てくれましたよね

GEN うん、すげえ遅れていった気がする。あの時、初めて話したのか。

オグラ そうです。

GEN まだまだ若手だと思ってたバンドがもうこのクオリティなんだって思ったんだよね。

―-FOMAREから見て、フォーリミの印象って変わりましたか?

アマダ 俺、昔からCDも持っていて、フォーリミの変化とか、成長とか見てきたつもりなんですけど、『sonor』ってミニアルバムから日本語(の歌詞)が増えたりとか、4つ打ち(の曲)が増えたりとか、でも、2ビートも変わらずにあって。日本語の歌詞も英語っぽいって言うか、符割が英語っぽくて、そこに新しさを感じてました。

GEN 英語しか作ったことがなかったから、自然とそうなっちゃったんだろうね。

アマダ メジャー・デビューしても、それを続けている。そこは本当にすごいと思います。俺らが働いていたSunburstって(キャパ100人の)小さいライブハウスなんですけど、そこにフォーリミが初めて来たとき、俺、照明をやってたんですよ。その時はまだお客さんが30人とか、40人とかで、もちろん、群馬でそれだけの人が集まるってすごいことなんですけど、でも、次のツアーでは(キャパ4~500人の)高崎club FLEEZがぱんぱんになっていて。そういうのも見てきたんですよ。好きなバンドが大きい舞台に立っても変わらないでいてくれるってすごいうれしいじゃないですか。そんなふうに群馬で見てきた先輩なので、自分達でフェスをやるなら絶対に呼びたいと思ってたんですよ。

――それにもかかわらず、今年の3月まで対バンする機会がなかった。

アマダ なかったですねー。

GEN かわいいからこそ、簡単にホメないっていう。わかる?(笑) 好きって言ってくれてるからこそ、ある程度、壁であり続けなきゃいけないじゃないけど、簡単に認めちゃダメかなってところもあって。何回か誘ってくれてるよね?

アマダ 19年の「FORCE TOUR 2019」もオファーしたんですけど、その時はダメで。その後、コロナ禍になっちゃったんで、なかなか誘うタイミングもなかったんですけど、でも、俺らも正々堂々と誘えるタイミングを探していたと言うか、成長しないまま誘うのは失礼かなという気がして。福岡に呼んだもらったとき、良いライブができたら、打ち上げ終わりに改めてオファーしようと思ってたんです。そしたらGENさんから「良いライブだったら考えてもいいよ」って言ってくれたんです。

GEN ライブの前日、「FOMARE大陸っていうのをやるんですけど、誘いたいんです」って言ってくれたから、「明日のライブを見て、考えるよ」って言ったんだよね。

――FOMAREを誘った「Human Communication Tour 2022」は、若手をフックアップする2マンという印象がありましたが。

GEN フックアップするって言ったらおこがましいですけど、気になりながら、ライブを見られていない若手を呼ぼうっていう。俺はFOMAREのライブは見ていましたけど。

――そのタイミングでFOMAREを誘ったのは、何かきっかけがあったんですか?

GEN 誘いたい若手を考えたとき、いよいよFOMAREしかいないってなったんですよ。避けて、避けて通ってきたんだけど、あ、またいる。気まずくて、遠回りしてきたのに会っちゃった。じゃあ、そろそろ呼ぶかみたいなところはありました。

アマダ 超うれしかったですよ。

カマタ 来たー!!と思いました。

アマダ 即決と言うか、即の即でお願いしますって。その時、俺、GENさんに電話しましたもん。「ありがとうございます」って。

オグラ リハに入ってたんですけど、「フォーリミから誘われたよ」って聞いて、全員でうわー!!ってなりました。

アマダ しかも、Zepp Fukuokaっていうのもうれしかったです。東京じゃなくて、遠征っていうのが。

カマタ あー、確かに。

アマダ でも、「良いライブだったら考えてみる」って言われたのが超プレッシャーで、ライブ当日は緊張がすごかったです。

オグラ リハは走りまくってました(笑)。

――ライブの出来はどうでしたか?

アマダ うーん、30分のステージだったんだけど、けっこう一瞬だったんですよね。手応えあったのかなって自分ではもやもやしてたんですけど、周りの人達からは「良かった」と言ってもらえて、ほっとしました。

カマタ かなり力んじゃったので、若えなと思われちゃったんじゃないかなって思ったんですけど、逆にそれでもいいのかなって思ったりもして。結果、「良かったよ」と言ってもらえたので、あ、良かったって思ったんですけど、それよりもフォーリミの姿勢がめっちゃ勉強になって。

GEN 姿勢ってどんな?

カマタ 後輩の俺らの楽屋にめっちゃ来てくれたじゃないですか。本当は先輩であるフォーリミの楽屋に俺達が行かなきゃいけないのにフォーリミのほうから、「何やってんの?」って来てくれて。それ、かっこいいと思って、その1週間後、後輩のバンドとライブしたとき、真似したんですよ。「よろしくね」って感じで。でも、ダメでしたね。

GEN 何がダメだったの?(笑)

カマタ ナメられちゃったんですよ。最終的にため口を使われるっていう(笑)。俺、後輩には絶対優しくしないと思いました。ムズいですね。

GEN いやいやいや(笑)。俺ら、確かにそうかもしれない。2マンの時、相手の楽屋に行きがちかも。ゲストといたいタイプなんで。昔、THE ORAL CIGARETTESとやったとき、俺が彼らの楽屋に挨拶に行って、わちゃわちゃしてたら、ORALのメンバーが「本当は俺らから行かなきゃいけないのに」って言ったんだけど、その感覚が俺はなくて、「あ、そうか」って。でも、そこは先輩も後輩も関係ないと思うんだよね。

――「FOMARE大陸」に出演OKしたということは、FOMAREのライブは良かったということですよね?

GEN 良かったですよ。リハから見てたんだけど、みんな良くなっていると思った。歌もプレイも曲も。あと、その時、PAがふだんマイヘア、ハイスタ(Hi-STANDARD)、Crossfaithをやっている越智さんだったんだよね。俺、トップクラスで越智さんの音作りが好きなんだけど、あ、越智さんなんだ。どんな外音なんだろうと興味が湧いて、見てたら、越智さんがいつもと違う音作りをしていて。ふだんやっていないバンドだったから、越智さん的にもちょっとチャレンジングな部分があったんじゃないかな。たとえば、ドラムのカナモノの音の位置とかね。それがけっこう目から鱗クラスに良くて、うちのPAさんとも話したんだよ。

カマタ へぇー。

GEN 「あのドラムの音作り、何だ⁉」って。その時、「って言うか、柿ピーのドラム、良くない!?」って話になって、焦りじゃないですけど、まずいぞ、今日、FOMARE、めっちゃ良いぞってなった。

――その時のフォーリミのライブはいかがでしたか?

カマタ めっちゃかっこよかったです。メロディックなんですけど、ちゃんと作られてるところもあるバランスがめっちゃ好きで、俺は。MCもうさん臭くないけど、キメるところはキメてくるみたいなバランスがマジ好きで。それこそ俺らも、「こういうの良いよね」って話はしたよね。

アマダ うん。自然体のまま緩急のあるライブをしている。

オグラ 楽屋のあの感じのまま出てきて、かっこいいなと思います。

カマタ あと、マジで華がある。4人が出てきた時に、わー!!ってなる。そこがやっぱりお客さんも盛り上がるところだと思うんですよね。うわ、4人来たみたいな。すげえ良いなって思います。

――さて、ここからは「FOMARE大陸」をテーマに話を進めていきたいと思うのですが、GENさんはFOMAREが主催フェスを開催することについては、どんなふうに思いますか?

GEN そういうアクションはすごく良いと思います。サーキット・イベントもやっているじゃないですか。周りを巻き込もうとして、自分らが旗を振ってやっているという印象は前からあったから、どんどんやっちゃってって思います。

――FOMAREはフォーリミが16年から開催している「YON FES」については、どんな印象が?

アマダ 出たことはないんですけど(笑)、見にいったことはあります。カマタと2人で。17年だったかな。初めてだよね? フェスに2人で行ったの。

カマタ うん、初めてって言うか、それだけだからすごい憶えてる(笑)。

アマダ バンド主催のフェスってこういう感じなんだって。大きなフェスを写真や映像で見てたのとは全然違って、お客さんのスタイルも自由で、時間に追われていないと言うか、時間の流れがちょっと遅い感じと言うか、全く別の世界があったんだって。こういうの地元・群馬の、自分らのフィールドに持っていきたいなってずっと思ってました。

――自分達がフェスを開催する時の参考にしようと思って、見にいったんですか?

カマタ その時は何も考えてないです。

アマダ 名古屋でライブをやった次の日が「YON FES」で、まだその時はフォーリミと面識がなかったので、出演している先輩のバンド経由でゲストを出してもらったんですよ。

――「YON FES」を見て、いつか自分たちもフェスをやりたい、と?

アマダ でも、それは昔から思ってたんですよ。俺ら、群馬で初めてライブをやるようになったくらいの頃から、G-FREAK FACTORYが「GUNMA ROCK FESTIVAL」を、その後、「山人音楽祭」に名前が変わりましたけど、開催してたから、そういうことを自分らでもやりたいと思ってました。その「山人」がコロナ禍で1回止まっちゃって、ホール開催ってことになったんですけど、群馬のお客さんはフェスに行きたがっていると言うか、地元にフェスがあることを誇りに思っているという印象があったので、自分らでもやりたいと思いました。

――「FOMARE大陸」のラインナップについては、どう思いますか?

GEN 誰が出るの?

アマダ フォーリミ、モンパチ(MONGOL800)。

GEN おぉ~、モンパチ決まったんだ。

アマダ ハルカミライ、TETORA、G-FREAK、あとFOMAREの計6バンドです。

GEN おもしろいじゃん。福岡で、「他に誰を誘うの?」って話をしたとき、「モンパチは絶対決めてくれ」って言ったんですよ。

アマダ 言ってましたね。

GEN そしたら俺もチームを説得しやすいからって。俺らよりも先輩がいて、若手もいるっていうのがいいなと思って、「モンパチ決めてよ」って言ったんです。モンパチが出るってなったら、みんな、アガるじゃないですか。

――あー、なるほど。ところで、「FOMARE大陸」というタイトルはどう思いますか?

GEN どうかと思いますよ(笑)。

アマダ ダサいですよね。自分で言うのもなんですけど(笑)。

GEN でも、群馬っぽい感じがしていいと思うよ。

――20年1月に「フォマレ大陸エクスプロージョン」ってツアーをやっているじゃないですか。

オグラ 僕の加入ツアーを、そのタイトルで群馬のライブハウス4か所でやりました。

――その時に初めて「FOMARE大陸」って掲げたんですか?

アマダ いや、もっと前からあるんですよ。

GEN そうなんだ。やってるんだ。

アマダ Sunburstでやってました。友達のバンドを10組ぐらい呼んで。

カマタ なんかそれから自分の中でずっと残っちゃってて、「FOMARE大陸」っていうのが。その時に出てた友達のバンドから、「もっとデカいところで『FOMARE大陸』やってよ」ってずっと言われてたってこともあるんですけど、今回、フェスのタイトルを決めるとき、無意識に「FOMARE大陸」じゃねって言ったら、決まっちゃいました。

――その頃から気持ちは変わっていないという意味合いもあるんですか?

カマタ そういうことにします(笑)。

GEN ハハハハ。

アマダ グンマー帝国とか、日本のアフリカとか言われたじゃないですか。だから、大陸と言うか、FOMAREの国、FOMAREのエリアを作りたいみたいな意味はあります。

――バンド主催フェスを開催している先輩としてアドバイスするとしたら?

カマタ ぜひアドバイスしてほしいです。

GEN うーん、何だろう? でも、自分達が誰よりも熱量を持って、それが出演バンドに伝われば大丈夫じゃないのかな。イベントに対する熱い思いが感じられるなら、中身は関係なく成功する気がするな。

アマダ 当日のメンバーの稼働はどうしたらいいんですか? 担当を分けないといけないじゃないですか。

GEN 担当を分けるってどういうこと?

アマダ みんな、回りまくってるじゃないですか。会場とか、対バンとかの挨拶もまめにやらないといけないと思うんですよ。

GEN それはそうだね。でも、みんなでやるものだから、分担ってわけではないけどね。

カマタ 「YON FES」でモリゾーとキッコロが稼働した時ありましたよね?

GEN あれはシビれたね。

カマタ シビれますよね。

GEN だからFOMAREもぐんまちゃん呼んでよ。

カマタ 今、がんばってます。

GEN そういうの地域に認められた感あるよね。

カマタ そうなんですよ。

GEN 地元の人もうれしいと思うし。地元にいろいろなところから人が来て、周りの飲食店も盛り上がると思う。今回は1回目だから大変なこともあるかもしれないけど、次回からはもっと協力してくれる人たちが増えてくるんじゃないかな。

アマダ なるほど。

カマタ 地域に密着したいんですよ。

オグラ 「YON FES」の初回、メンバーがどういう動き方をしていたかすごく気になります。

GEN みんな、すごい緊張してたと思うけど、動き方って何だろ? 当日の話?

オグラ 当日もそうですけど、どういう準備をしていたんですか?

GEN あー、さっきも言ったけど、ちゃんと思いを伝えることじゃないかな。それは対バンだけではなくて、全方位のスタッフに対してもだよね。

カマタ うんうん。

GEN お客さんもだし。それがなかったら成功って言えないかな。俺、最初に開催するってなった時にTAKUMAさん(10 -FEET)、猪狩さん(HEY-SMITH)、難波さん(NAMBA69)に相談したんだけど、猪狩さんに「誰誘ってん?」の言われて、「誰々と誰々と誰々と、あと誰だっけ」って感じになったら、「おまえ、そんなんじゃあかんで」って。

カマタ いやー、それは。

GEN 「おまえがそんなんだったら誰もついてこない」って言われて、あ、そうだなってすごく思ったのを憶えてる。「おまえが一番、気持ち入ってなかったらあかんやろ」って。それは絶対そうだと思うし、それにその気持ちがあれば、みんな、応援したいと思ってくれるはずだし、成功させようってムードになるから。でも、今回は1回目だから絶対、成功すると思うんだよ。逆を言えば、みんなやっぱ開催おめでとうって気持ちがあるからね。地元の人達からしてもね。

カマタ あぁ、なるほど。

GEN ついにここまで来たねってご祝儀じゃないけど、絶対うまくいくと思う。だから、2年目が難しいんじゃないかな。自分達のエモいモチベーションもさ、ちょっと違ってくるじゃない? 2回目になると。ここまでたどり着いたってことでもないしさ。

カマタ 確かに。そこは考えてなかったな。

GEN でもまぁ、まずは今年を成功させないとね。

アマダ そうですね。

――FOMAREとしては1回限りではなくて、来年以降も続けていきたいと考えているんですか?

アマダ 続けていきたいです。ただ、「SLAM」ってサーキット・イベントもやっているんで、来年はサーキットをライブハウスでやって、フェスは再来年できたらいいなと考えているんです。

――フェスを続ける秘訣なんてありますか?

GEN 秘訣かぁ。さっきから同じことを言ってるけど、その熱量を絶やさないことじゃないかな。段々なあなあになってくるところをそうならないようにする。そういうものが人を動かすじゃない? 人を動かすし、心も動かすから、その感じがなくなったら続かないと思う。

――思いを伝えるためにフォーリミが意識的にやったことはありましたか?

GEN 「YON FES」に限らず、ふだんのライブのブッキングもそうですけど、直接誘いますね。マネージャーを通さずに。こういう思いがあって、出て欲しいんですって言い方すると、断りづらいじゃない?(笑)。

カマタ ハハハハ。

GEN その時はダメでもひょっとしたらまた次回お願いできるかなってなるし。基本、俺が直接、全バンドに声を掛けていて。たまに他のメンバーが仲良くて、声を掛けてもらったりしてて。

アマダ 俺達もちゃんと直接誘いました。

――当日は?

GEN ちゃんと挨拶する。それはスタッフも含め、全員にね。

設営のスタッフさんにも、時間を作って挨拶させてもらうんです。「ありがとうございます」って。10-FEETの「京都大作戦」に出たとき、それをすごく感じたんだよね。TAKUMAさん達は「俺らは何もしてない。みんなが出てくれるからありがとう」みたいなことを言っていて、いやいや、10-FEETすごいじゃん。10-FEETが「京都大作戦」を作ってるじゃんって思ってたけど、自分らがやるようになって、同じ気持ちになった。旗を振ったのは俺達だけど、作ってくれるのは出てくれたバンドとお客さんだからって。その気持ちを忘れなければ大丈夫だと思う。

――「FOMARE大陸」に期待していることはありますか?

GEN ぐんまちゃんに会いたい(笑)。絶対、行政や地域の人を巻き込んでいったほうがいいよね。好きな言葉に、地域における公益性っていうのがあって、いつも交渉する時に言うんだけど、地域にとっても良いですよって。もちろん俺らがやりたいし、俺らのためではあるんだけど、結果、みんなが幸せになる1日なんじゃないかなってことを伝えていければ、今年の実績しだいでは群馬の観光会社と組んだりできるかもしれないし、あと、ケータリングは群馬のものを出してほしい。

アマダ それはもちろん考えてます。

GEN 出る人、関わる人が群馬を好きになって帰ったほうがいいと思うし、群馬のためを思ってみたいなことは必要かな。その意味では、ぐんまちゃんと鳥めしに期待したい。あれ、うまいよね。

アマダ 登利平の鳥めしは、めっちゃうまいです。

GEN そういうのケータリングで出したら、みんなテンションが上がって、SNSにポストするじゃん。そうすると、地元の人もうれしいしさ。そういうホスピタリティ的なところは、ここからまだ詰められるよね。そういうところに思いも感じるしね。

――フォーリミは「FOMARE大陸」で、どんなライブをしたいですか?

GEN ちょうどツアー中なんですけど、Club FLEEZが一時閉店しちゃったから群馬は行かないんですよ。それもあって、群馬に行くの久しぶりだから、待たせたねっていう意味でも、まずはちゃんといいライブをしたい。ツアー中だから、いい感じで仕上がってると思うんですよ。ツアー中にたまに入って来る30分とか、35分ぐらいのセットって、俺らけっこう得意だし、気持ち的にもやりやすいから、いいライブができるイメージはすでにできてますね。

――逆にFOMAREは?

アマダ まだ若いのに早すぎるとか、FOMAREのバンド力よりもはるかに大きなことをしようとしているとか言う人もいるので、そこを圧倒させるライブをして、地元の人達にFOMAREがこれをやってくれてよかったと思ってもらえるようにしたいですね。

オグラ バンドとしても大きなターニングポイントだと思うので、群馬への恩返しを思いながらライブをしたいです。

カマタ 2人と同じ気持ちです。びしっとキメたいので、力まないようにしたいです。

GEN たぶん過去一プレッシャーがかかるじゃん。俺らが超神がかったライブをしちゃったその後とか、G-FREAKめちゃめちゃヤバい。この後に出るの⁉みたいな。きっとそういうプレッシャーはあると思うんだけど、それを今までも何回も超えてきてるじゃん。その超える瞬間を見たい。たぶん、良いライブになると思うけどな。今年に関しては、気持ちが入りすぎて走っちゃっても味になるからね。それもいいなって俺みたいなバンド好きはなっちゃうと思う。

アマダ いいフェスだったら、また出てもらえますか?

GEN そうだね。また行きたいって自然になるだろうし。

アマダ がんばろう。そこでいいライブしたら、「YON FES」に呼んでもらえますか?

カマタ ハハハ。

GEN 「YON FES」出てなかったかって今思ったんだけど、そうだね。来年かな? わからないけど(笑)。

アマダ がんばろう。

――タイムテーブルはこれから考えるんですか?

アマダ そうなんですよ。どうしようと思って。タイムテーブル、どうやって組むんですか?

GEN けっこう悩むね。「YON FES」はメンバーでめちゃめちゃ話し合うよ。でも、一発目は先輩でも後輩でもなく、盟友がいいんじゃないかな。その意味では、ハルカミライがいいと思うけど。あれ、ハルカミライは先輩?

アマダ 先輩です。同期ですけど、先輩みたいな。

GEN そうか。普通に考えたら、TETORAが1発目だよね。でも、順当しすぎないほうがおもしろいかなって俺は思うな。そこに意図が見えるといいよね。意味があって、そこに置かれた気がするなってバンド側が思えるようなね。俺らはどこでもいいけど。あ、でも、一発目やイヤかな(笑)。

アマダ 一発目はハルカミライがいいと思っちゃいますけどね。

GEN 俺もそう思う。

アマダ 打ち上げも出てもらえますか?

GEN:あったら出るよ。それも前もって、出演バンドのみんなには伝えておいたほうがいいと思うよ。

――ありがとうございました。最後に、お互いに好きな曲を挙げてから締めましょうか。

GEN 「Frozen」。こう言ったらあれだけど、日本語の2ビートってところに俺ら味も感じるんだよね。最初、FOMAREに2ビートの曲をやるイメージがなかったから、あ、パンクも好きなんだって思った。リフもメロディック・パンクっぽい。イントロは独特だけどね。

アマダ あー、3連の。

GEN 普通、こんな入り方しないだろうって。でも、それもテンションで思いついている感じと言うか、考えすぎると、ああいうことってやらなくなってくるから。なんかあの感じは、あの時のFOMAREだから出せた気がするし、サビの《僕はまだ今も求めているよ》 ってメロもすごい残るし。

――逆にFOMAREの3人は?

アマダ いっぱいあるんですけど、「MONSTER」ですね。

GEN あぁ、「MONSTER」ね。

アマダ フォーリミは曲ごとに世界が見えると言うか、色が違うと言うか、中でも「MONSTER」は特にサビに入る瞬間の、あの感じ、フォーリミの他の曲にないじゃないですか。

GEN あぁ、あれはあの時の俺って感じだよな。

アマダ あと、GENさんの頭の中にモンスターがいるっていう空想の歌詞も驚きだったんですよ。

GEN そういう自分が主人公じゃない感じのファンタジーっぽい英詞の曲って、今は書かないんで、好きって言ってくれるのはうれしい。

アマダ そういう歌詞の内容をGENさんに解説してもらうのが、俺、好きなんですよ。曲を作ってるからかもしれないですけど、好きな曲の解説を作った本人にしてもらうっておもしろくないですか。しかも、GENさん、ていねいに教えてくれるんですよ。

カマタ 俺は「knife」ですね。MVが公開されたとき、なんじゃこれ⁉と思って、その時はフォーリミっぽくないと感じたんです。これ、やっちゃうんだ!?って。MVも独特で、完全に作ってんなって思いながら、何年か経って、3月のZepp Fukuokaで「knife」やったと思うんですけど、ばっと緩急がつく曲だから、ライブで聴いたら最高だと思って、そこからさらに好きになりました。

オグラ 俺は「monolith」と「Galapagos」です。「monolith」はドラムが1小節の中にこんなに手数が入るんだってびっくりしました。音も全然加工されてない、生の感じがかっこいい。「Galapagos」は曲もMVもバラエティ感があって、俺は好きです。

GEN すげえ聴いてくれてる感じがうれしい。曲作りの参考にさせてもらうね(笑)



インタビュアー:山口 智男
photo by RUI HASHIMOTO [SOUND SHOOTER]

2022.10.22 sat

Gメッセ群馬 展示ホールA/B

OPEN 11:00 START 12:00

前売 7,800円(税込)

主催 : 株式会社ジャパンミュージックシステム

企画制作:small indies table

お問い合わせ : サンライズプロモーション東京

0570-00-3337(平日12:00〜15:00)